庭に小屋を建てる(2)内壁をシナ合板仕上げオスモカラー塗りにする

【暮】暮らしのこと

フラミンゴの庭 MAYAです。

庭に水道ガストイレなしの小屋を大工さんはじめ職人さんに作ってもらった私。

(0)では家づくりの大変さをボヤき(1)では使った建材一覧を、そしてこの(2)からそれぞれの建材をどういう理由で選んで、どんな仕上がりなのかを紹介するステージに入ります。最初は内壁について。私の小屋の内装仕上げはこうなっております。最近ではかなりニッチなので、この案を検討している方の参考になるかと。

  • 全面シナ合板(18mm)
  • オスモカラー カントリーカラー(ライトグレー)2度塗り
  • 巾木、窓枠なども全てカントリーカラー塗装

▲プラスチックの白、古道具の焦茶、ファブリックの濃緑、コンセント、ティッシュなどの日用品との相性はこんな感じ

まずはベースであるシナ合板での内壁にした理由や施工例、その次にオスモカラーでサンプル取り寄せての色選びや仕上げていった様子という順で紹介。レッツゴー。

本文内の記事リンク等は最後にまとめて貼ってあります。

合板の内壁とは

まず大事なことを最初に。私の壁は世間一般的な主流から逸れています。現在一般的な内壁の仕上げというと石膏ボード+壁紙。施主が悩まれるのは壁紙をどれにするか、はたまた壁紙じゃなくて漆喰を塗ろうかなど、石膏ボードありきで話が進むかと思うのですが、私は石膏ボードを使っておらず壁天井全て18mmのシナ合板仕上げになっています(正確にいうと15mmの構造用合板に3mmのシナ合板を貼っている=18mmのシナ合板を貼るよりこちらの方がコストが下がると大工さんが提案してくれた。仕上がりは同じである)

下の写真をご覧いただきたい。一番上の天井が仕上げのシナ合板まで張られた状態、その下がまだ壁が張られておらず断熱材が見えている状態、その下が15mmの構造用合板を張った状態(この上に3mmのシナ合板が張られる)。一般的には一番下の構造用合板の部分が石膏ボードとなる。

▲上からシナ合板まで仕上げた天井、断熱材、構造用合板

調べていないのでわかりませんが、石膏ボードの上に3mmのシナ合板を張るという仕上げ方法もあるのかもしれませんが、その場合もこの後のオスモカントリーの塗料を塗った仕上がりなどは同じになるように思います。決定的に違うのは壁の強度です

石膏ボードの場合、テレビなどの重量のあるものを壁につける場合は石膏ボードの裏側に下地というビスを効かせる為の木材を大工さんに仕込んでおいてもらう必要がある。かたや私の仕上げの場合、壁・天井中が下地で覆われているのでビス打ち放題、棚設置し放題ということ。

DIYとか聞いただけで無理!という人にはとてもおすすめしませんが、住んでいくうちに自分で好きな所に棚とか付けたいという方には、私の方法をおすすめしたい。どこでも付けられるぜ!(石膏ボードよりは値段はすると思われる)

ラワン合板とシナ合板の違い

合板で主流なのがラワンとシナですが(ホームセンターでも売ってます)その違いはラワン・シナ、どちらの木を使っているかという違い。ラワン・シナ合板というのはプリントではなくて、うすーくスライスした木材を表面に張ったものなので表面は本物の木です。

一般的なイメージでいくと、多分皆さんがミッドセンチュリーな壁で思い浮かべる合板仕上げの壁はラワンだと思います(↓例えばこんなの)

▲注:私の部屋ではありません

キャラメル色っぽい感じでルイスポールセンの白い照明がほのかに光ってる的な。ドラマ「大豆田とわ子と3人の元夫」の第1話で最初の夫である松田龍平さんのオシャレ部屋が登場しますが、あの部屋のイメージがまさにそれ。あの壁はラワンじゃないかな。

かたやシナは白い。ラワンがバカンスで焼けたハリウッドセレブなら、シナは秋田美人。下の写真で構造用合板(ラワンではないがあくまでイメージ比較として)とシナ合板の色目を比べていただければ一目瞭然。

▲天井はシナ合板仕上げまで完了、壁は構造用合板

▲カントリーカラー ライトグレーを塗るとこうなる

私は今回、このあと後述するカントリーカラーでライトグレーに仕上げるつもりだったので、色むらが少ないシナに。というのも、ラワンはロットによって本当に色が違い、赤茶っぽいラワン色から、これってシナじゃないの?という位白いものまである。それなら大工さんに頼んで全部同じ色味のラワン揃えて貰えばいいじゃない?と思うかもしれないけど、それは酷な話なのである(中にはやってくれる大工さんもいるかもしれないけど、結構面倒なオーダーであることは間違いない)

それに、今回私が使うカントリーカラーは浸透系塗料であることもあり、下地である木材の色で仕上がりが全然変わってくる(公式サイトでもそう書いてあるので使用木材で事前に試した方が良い)。それもあり、個体差があまりなく木目も主張が少ないシナにしたのである。

無垢板にしなかった理由

合板なんて言ってないで、そこまでこだわるなら杉とか檜とかの無垢板にすればいいのに。そんなご意見もあるであろう。わかる、わかるよ、だって最初はそうするつもりだったんだもの!壁も天井も床も、ぜーんぶ。でもフと思ったのです、それは森小屋チックになってしまうのでは?はたまた林間学校のバンガロー。ほっこり小屋

もちろん無垢板を貼ってそれをオスモカラーで塗ることも考えたけど、天然木って幅が細いから、どうしても壁に筋がたくさんできるわけですよ。いくらカラーを塗ってもその筋がほっこりというか。その点合板だと1枚が大きいのでズバーンとしてるのでシュッとする。そういう理由で天然木をやめて合板にしたのでした。

カントリーカラーの色選び

オスモカラーから出ている屋内用のカントリーカラー。オスモ&エーデルというドイツの会社の塗料で、本国ではたくさんカラーがあるけれど日本に入ってきているのはそのうちの一部。今回私はグレージュかグレーの壁にしたいと思っており、カントリーカラーで近しいと思った色が以下3色。

  • 2708 ペブルグレー
  • 2735 ライトグレー◀︎これを採用
  • 2742 トラフィックグレー

オスモカラー カントリーカラー ライトグレー2.5L
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オスモ&エーデルでは公式サイトで有料ですがサンプル塗料を取り寄せることや、ショールームを予約して実際に木材に塗ってみたり、色々な相談をすることができます。私はまず上記3種のサンプルを各2個ずつ購入し(2度塗りする為)ホームセンターで一番薄手のラワン合板を購入&30cm幅程にカットしてもらい、色比べ。塗装済みサンプルももちろん取り寄せたけど、プレパラートサイズでほんとあくまで参考にしかならんかった。

▲塗るためのスポンジもついてくる

それをシナかと見間違いそうなラワンの合板に塗ってゆく(ね、こんな白いラワンもあるのです)。ちなみにこれは1度塗りの段階での色ですが、規定の塗る範囲より広く塗ってしまっているので色が薄めです。でも、この段階でトラフィックグレーが想像以上に暗いので、まず無し。ペブルグレーはもう少しグレージュっぽくなると思ってたけど、割とグレー。

▲1度塗り、広範囲に塗ってしまったので色が薄い

なんでシナ合板買わなかったの?と思われそうですが、最初はミッドセンチュリーなラワンにしようと心が動いていたので、ラワンを買ったのです。結果白いラワンだったので、シナでもこんな感じかなってことでこれで色を決めました。

ミッドセンチュリーにしなかった理由?それはさ、オシャレ上級な壁すぎてうまく部屋をまとめられる自信がなかったからです!下手したらほっこりか、昭和の子供部屋になっちゃう。

で、2度塗りしたライトグレーとペブルグレーを、実際にライトグレーで仕上げた壁と比較してみるとこんな感じ。私も本当に最後の最後までこの2色どちらにしようか迷ったのですが、結果どちらでも満足した気がする。ペブルグレーにしたらもうちょっと濃いグレーだったのかな、と思います。好みですね。

ライトグレー施工例

実際にライトグレーで仕上げた部屋の写真多めで紹介していきます。まずはシナ合板仕上げまでした状態と、ライトグレー2度塗り後。

▲シナ合板だとこんな壁です。もちろんこれをクリア塗料で仕上げるのもありかと

▲ライトグレー2度塗りだとこんな感じになる

窓枠、巾木なども全てカントリーカラーで塗ってもらっているのですがこんな感じ。

▲明るい時間帯は部屋全体が明るいけど、白い壁とはやっぱり雰囲気は違う

朝日の陰影。サッシはYKK APの内側樹脂の複合窓で、色はプラチナステン

▲オークの無垢フローリングとはこんな感じ
▲よーくみるとシナの木目が見える。写真上分かりやすくしてるのでざらざらっぽく見えますが、実際はつるんです。

▲半年後の生活感あふれる小屋の様子。3月の朝8時の光の感じ

職人さんに頼んだ方が良い

最後に一つ。資金的に出せるのであれば塗装は職人さんに頼むのをおすすめします。色々な理由やDIY好きだからという方が自分で塗装するのはもちろんアリですが、やっぱり餅は餅屋です。この広範囲をムラなく、液だまりなく(素人がやるとこれ出がち)均一に塗るって難しいし、とにかく大変!

天井とかずっと上向いて腕上げてるんだよ、50の足音が聞こえてきている私には無理無理。しかもめっちゃ塗装臭すごい中での作業ですからね。いくらこのカントリーカラーが浸透系の普通のペンキとは違うとは言っても、匂いはガッツリしますから。それに小さいビスの跡(凹み)とかあるから、それをパテで埋めて何事もなかったかのようにフラットに仕上げるんですよ。無理〜。

この内装で余った塗料はもらっていて、それで実際に小さい棚を自分で塗ってみたんですけど、プロに部屋の塗装頼んでよかったわぁ〜って心から思った。全然仕上がり違いますもん。

よくオシャレなインテリア雑誌で「ラフに仕上げたくて、職人さんにムラがあるように頼んだんです」とか言うのみるでしょ?あれね、プロがラフに仕上げるのと素人が頑張ったけどラフ(というか雑)に仕上げるのって、全然違うからね!

フローリングとの境目とか、サッシとの境目とか、これまで大工さんが丁寧に作ってきた部分を乱さないようにぴっちり仕上げるの、ほんと大変だから。養生もそうだしキッチリ塗るのもそう。

プロって仕事早いんで、私の部屋くらいだと朝来てお昼前には終わってしまうんですよ(2度塗りするのに12時間以上空けないといけないので、次の朝また来る)。それだけ見てると「なんか簡単そう〜、養生してぺたぺた塗るだけでしょ」って思いがちだけど、違うから。細部が違うから。

あとこれは長年いろんな職人さんと関わってきた親や、実際に職人さんからも聞いた話ですが、職人さんは急かしてはいけない

今は早い=腕がいい、仕事ができる、みたいに思われる風潮が強いですが、違うから。雑で早い仕事されるより、時間かかっても丁寧に作ってくれる方が良くないですか?それに素人には考えが及ばないところで色々考えて段取りしたりして動いているので、なんで今日の段階でもっと先まで進めないんだろうう?とか思うかもしれないけど、それには理由がある。

私が見てきた腕のいい・仕事のできる職人さんほど丁寧にじっくり仕事をします。

▲お気に入りのナマケモノの人形はひっかけられるところを色々お引越し

以上、本日は内壁編でした。

シナ合板仕上げに決めるまでに、無垢板やラワンでミッドセンチュリー風も考えていて、ほんと色んな雑誌見たり、参考にしたくていろんなカフェやお店があるエリアに足を運んだりして(北海道の旭川・美瑛まで行った)いろんな建物をみて決めました。

結果満足していますが、本当に私の仕上げ例はネットで全然ヒットしないので、検討されている方の参考になれば何よりです。

ちなみに棚は大工さんにつけてもらうつもりで、小屋の仕上がりまでに場所決めなきゃと思っていたのですが、実際に部屋を使ってみて色々出てくるだろうから、それで場所が決まったら声かけてくれたら付けに来ますよ〜と言ってくれた。いい大工さん!プロ!

ほんと、慌てて棚とかつけないで、まずは使ってみるの大事です。家具とかも慌てて買わない方が良いです。まず最小限のもので生活してみて必要なものを買い足していく方が失敗が少ない(家具のサブスクを利用するのももちろんアリ)

小屋作りブログ、まだまだ続きます。今日はここまで。

↓0.75Lもあるよ

オスモカラー カントリーカラー ライトグレー2.5L
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